ここでは、オフィスの床材におすすめのフローリングについて、特徴やメリット・デメリットを紹介します。
木目の
フローリング・床の魅力とは?
オフィスに快適性を求める企業を中心に、導入が増加傾向にあるのが木材・木目のフローリング。木材・木目のフローリングには大きく分けて、切り出した一枚板をそのまま利用する「無垢フローリング」と複数の木材を貼り合わせた「複合フローリング」の2種類があります。
無垢フローリングは木本来の質感や調湿効果などを実感できること、複合フローリングは低コストでメンテナンスがしやすいことなどが主なメリット。まずはそれぞれのメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
無垢材フローリング
メリット:木本来の質感や調湿機能
人工的な素材に比べ、製品ごとに異なる風合いが楽しめるフローリング。エントランスや客室など、人目につきやすい場所におすすめです。また、目に優しい木目はリラックス効果も得られるため、休憩室などに使用するケースも増えています。
木目は自然な風合いや色合いから、温かい雰囲気を演出することにも役立ちます。快適で落ち着いた空間を作りたいときにぴったりの床材といえるでしょう。
無垢フローリングを床材に採用した場合、木が持つ調湿機能を実感できることもメリットの一つ。室内の湿度を調整してくれることで、例えば梅雨のジメジメした気候の中でも、快適に過ごせるようになります。
メリット:無垢材ならではの優しい感触
無垢材は、自然の木の感触をダイレクトに楽しめます。床材として使用した場合には、おもに足裏などでその優しくてあたたかみのある肌触りをじかに感じられるでしょう。また、新しい無垢材の場合は、木の香りも楽しめるという特長があります。リラックスできる香りです。
メリット:化学物質不使用なので
デリケートな人にもおすすめ
無垢材の床材であれば、合板の接着剤などによるホームシック症候群を心配せずに済みます。現在流通しているものは、かつての接着剤のような危険性はありませんが、やはり化学物質フリーでゆったりとした心持ちで過ごすことができる無垢材のフローリングはうれしいものです。
メリット:経年変化を楽しむことができる
色合いや色味が徐々に変化していくところも、無垢材がもつ大きな注目ポイントです。経年変化により使い続けることで味わいが増していくわけです。だんだんと色が濃くなって赤みが強くなっていくものや、あるいは薄くなり褐色がかっていくものなど、変化の仕方は樹種によってさまざまです。
デメリット:他の床材に比べ
コストが高くなりがち
フローリングはタイルカーペットやビニル床タイルなどに比べ、コストが高くなってしまうことがデメリットといえます。床にコストをあまりかけたくない場合は、他の床材を検討してみると良いでしょう。
塗料や木材によっては水拭きができないケースもあります。そうなると、メンテナンスの手間がかなりかかるので、事前にチェックするようにしましょう。
デメリット:定期的なお手入れが欠かせない
メンテナンスを定期的に行わなくてはならないことを、あらかじめ把握しておきましょう。具体的には、よく通る部分は数カ月に1度、そしてあまり通らないところであっても1年に1度は、ワックスを使用して手入れをしておくことが大切です。ワックスがはがれていると汚れやすくなるため、そのまま放っておくと、表面が黒ずんでいってしまいます。
デメリット:「反り」や「きしみ」が生じる場合もある
加工時の乾燥が充分でなかった無垢材などの場合、反りやきしみなどが発生する可能性があります。これは、水分によって無垢材が膨張したり縮んだりする際に、寸法安定性が低下することが原因です。ただ、品質にこだわった無垢材であれば、こういった心配はあまりないと考えられます。
デメリット:強い衝撃には注意が必要
強い衝撃を受けると、フローリングの表面がへこんでしまう可能性も。もちろん、無垢材に使用されている樹種によって硬さはそれぞれ異なりますが、一般的に、衝撃にはそれほど強くないという特徴があります。へこみができてしまった部分は、ケガなどの原因になりかねませんので、しっかりと補修をしておきましょう。
複合フローリング
メリット:導入コストは比較的安く済む
合板や集成材などの基材のうえに、薄く削った化粧板を張り付ける複合フローリング。木の表面に膜をはるウレタン塗装のものや木目調のプリント仕上げのシートフローリングなどが多いです。
無垢フローリングに比べれば、加工の手間がかからず、導入コストは安く済む傾向にあります。加工品のため、膨張・伸縮が少なく、反りなども起こりにくいのも特徴。ウレタン塗装やシートフローリングの場合、基本的には水拭きができるので、手入れ・メンテナンスも比較的簡単です。
デメリット:木本来の質感は味わえない
表面上は木目になってはいますが、木の表面に膜をはるタイプのウレタン塗装のものや木目調のシート仕上げのものが多く、残念ながら木本来の質感や味わいは感じられないと言えます。無垢材のような調湿機能もないため、見た目のみを木目にしたいという方におすすめです。また一度傷がついてしまったり、拭きとれない汚れが付着してしまうと補修が効かず、最悪の場合は張り替えるしかないというデメリットも抱えていいます。
クッションフロア
メリット:水を弾く耐水性
クッションフロアの主な素材である塩化ビニール素材は、水を弾く性質があります。そのため、クッションフロアは水分に強く、濡れてもすぐに拭き取ることができます。そのため、キッチンや洗面所などの水回りに適しているのです。
メリット:メンテナンスしやすい
クッションフロアは水分や油分に強いので、濡れたり汚れたりしても拭き取るだけで簡単にメンテナンスができます。また、シミにもなりにくいためメンテナンスの手間が大幅に省けるのです。
メリット:施工が楽
クッションフロアはカッターやハサミで簡単に切れるので、好きな大きさに切って施工するのが楽なのも大きなメリットです。業者に頼まなくても、自分で簡単に施工可能です。
メリット:デザインが幅広い
クッションフロアは安価かつデザインが豊富なので、機能性だけでなくデザイン性にも優れています。そのため、オフィス空間を華やかに演出したい、雰囲気を変えたいといったときにもおすすめです。
デメリット:劣化しやすい
クッションフロアは両面テープやボンドを用いて施工します。このテープやボンドの粘着力が弱まってしまうと隙間にホコリが溜まって剥がれやすくなるので、劣化が早いのがデメリットとなります。
デメリット:デザインによっては安っぽい
クッションフロアは安価でデザイン性に富む素材ですが、テカリの強い素材なのでかえって安っぽく見えてしまうことがあります。ただし、素材によっては高級感が出せる種類もあるので、探してみましょう。
デメリット:傷つきやすい
クッションフロアは水分や油分には強いものの、傷が付きやすいのがデメリットです。そのため、傷やダメージが目立ちやすい場所には適しません。
デメリット:湿気がこもる
クッションフロアは水分を弾く反面、水分を通さないので内部に湿気がこもりやすい性質があります。湿気はこもりやすい場所だと、知らないうちにカビが繁殖してしまうことがあるかも知れません。
フロアタイル
メリット:デザインが多い
豊富なデザインがあるのがフロアタイルの代表的なメリットです。ヴィンテージ感が出せる木目調や重厚感のある石目調など、場所や個人の好みに合わせて柔軟にデザインを変えられます。表面には凹凸があるので、本物の木や石にも劣らない質感が楽しめます。
メリット:リフォームしやすい
フロアタイルはフローリングなどに比べると安価なので、気軽にリフォームできるのもメリットです。経済的な面だけでなく、施工にかかる手間も少ないので、DIYでのリフォームがしたいという場合は特にフロアタイルが向いているでしょう。
メリット:メンテナンスしやすい
一度施工が終わってしまえば、フロアタイルのメンテナンスは簡単です。水汚れや油汚れは弾いてくれますし、破損してもその部分だけを簡単に張り替えられます。全面張り替えは必要ないので、メンテナンス費用は大幅に抑えられるでしょう。
メリット:硬くて丈夫
フロアタイルは強度が高いので、頻繁に人が行き来するようなオフィスや店舗の床に用いても摩耗しにくいというメリットがあります。また、タンスなどの重い家具の下に施工すればフローリングを保護することもできます。
デメリット:隙間に水が入る可能性
フロアタイル自体は高い耐水性を持ちますが、施工の際にはどうしても継ぎ目ができてしまいます。その継ぎ目から水が染み込んでしまうと、カビやシミの原因となるのです。また、接着のためのボンドが水分で剥がれてしまうこともあります。
デメリット:クッション性が低い
フロアタイルは硬いのがメリットですが、裏を返せば柔軟性がないのでクッション性が低いということにもなります。そのため、緩衝材としての役割や転倒・接触したときの怪我予防には適していません。
塗装の必要性
木材に塗装をする理由は保護のためです。木から切り出し無塗装のまま上にジュースやワインやコーヒーをこぼすと、保護がないことで色素が染み込むリスクがあります。結果、無垢材にシミが残るのです。
フローリングはシミができたからといって、簡単に変えれるものでもありません。そのため、表面を保護する役割として塗装が必要になります。
仕上がりで選ぶなら
どんな塗料を使用するのか、どんな仕上がりを求めているか事前に決めておくことが重要です。塗料や木材で仕上がりが変わります。たとえば、ウォールナットやタモは色が濃く木目もハッキリとし、カバザクラやメープルは色が明るく木目が落ち着いているのが特徴です。
塗料も植物オイルや、蜜蝋樹脂ワックス、針葉樹白木用のオイルワックスもあればドライワックスなど多数の種類があります。無垢材の質感や時間の流れや使い込むことで生まれる傷や風合いを活かしたいなら、浸透性塗料が向いているでしょう。
マットな質感や光を反射させないほうが好きなら、高機能塗料が適しています。
お手入れ方法で選ぶなら
無垢材は日頃の手入れも重要ですが、毎日するのは現実的ではありません。ただ、定期的にお手入れをするだけでも、美しい状態を長持ちさせられます。適度なお手入れで十分、手間をとにかく省きたいなら、コーティング系塗料がおすすめです。
ただし、表面にウレタン樹脂のような塗膜を形成するタイプは傷がつくと補修ができず専門業者に頼まなければなりません。もっと楽にしたいなら、高機能塗料があります。木の表面にある凹凸を活かして保護するタイプです。水汚れにも強くお手入れもしやすいでしょう。補修も専門知識が不要で、コーティング系塗料よりも簡単です。
無垢材の質感も活かすなら
無垢材のメリットである質感や肌触りにこだわるなら、浸透性塗料が適しています。オイルや蜜蝋ワックスで、シミや汚れを完全には防げませんが、サンドペーパーで削り、塗料を馴染ませるだけで補修できるのです。主成分がえごま油や蜜蝋などの自然由来のものでできています。無垢材の質感をそのまま活かしたい、長く使いたいなら浸透性塗料がいいでしょう。
定期的なお手入れは必要になる
一部分だけのお手入れなら労力はほとんどかかりませんが、フローリングのように広い範囲となればその分時間はかかります。ただ、無垢材の価値を長持ちさせたいなら手入れはしておくべきでしょう。どんなお手入れ方法を選ぶかでも選ぶ塗料は変わってくるはずので、慎重に決めましょう。
フローリングに使う塗装の種類
フローリングを適切に用いるためには、そこに用いる塗装の種類もしっかり把握しておかなくてはいけません。ここでは、代表的な塗料を4種類ピックアップして解説しています。
オイル
オイル塗装は、主に無垢材のフローリングの仕上げに用いる塗装です。木材フローリングにオイルを浸透させることで、素材を保護します。用いられるオイルの種類は、主に亜麻仁油や荏胡麻油・桐油・ヒマワリ油などの植物油です。
オイル塗装は、素材の味を活かしたナチュラル感を出したい場合に適しています。塗装した後の仕上がりはしっとりとした色味になるので、シックな色味にしたい場合はオイルがおすすめ。
弱点としては保護力がやや低いという点です。フローリングの保護力を優先したい場合はコーティング系塗装の方を優先するべきでしょう。
ワックス
ワックス系塗装もオイルと同じく、素材の表面に塗膜を作らないので素材の味を活かしたい場合に適しています。種類は大きく分けて、ミツバチの巣から抽出する蝋蜜を用いた動物性ワックス、植物性の蝋を原料とした植物性ワックス、100%蝋で作られた固形タイプ、蝋にオイルなどを配合して使いやすくしたエマルジョンタイプなどがあります。
仕上がりが濡れ色になるオイル系塗装に対し、ワックス系塗装は無塗装に近い仕上がりになります。また、フローリングの保護力はオイル系塗装と比べて大きな差はありません。
そのほか、塗装コーティング済みフローリングに使用するワックスとして、蝋を主成分とした水性ワックスや合成樹脂を主成分とした樹脂系ワックスがあります。
水性ワックスのメリットは剥離が簡単なこと。また、塗装後に乾拭きすることで光沢が増します。反面、耐久性は低いので頻繁に塗り直さなくてはいけません。また、水性ワックスは現在ではほとんど使用されていません。
樹脂系ワックスは水性ワックスに代わって主流となっているワックスです。塗膜が硬いので耐久性が高いのがメリットで、高い耐水性や耐摩耗性に加え、洗剤などの化学物質にも強いのが特徴。
反面、水性ワックスに比べると施工に手間がかかるのがデメリット。また、施工前には必ず先に古いワックスの塗膜を剥がさなくてはいけません。
ウレタン
ウレタン樹脂を主成分とした塗料を用いた塗装です。フローリングの保護に適しており、フローリングの表面に強固な塗膜を形成することで傷や汚れから保護します。
ウレタン塗装は高い耐摩耗性と耐久性を持つので、長期間に渡ってフローリングの美観を保つことができるのがメリットです。デメリットとしては、無垢フローリングに使用すると塗膜が強固なため木材の質感が失われてしまうことが挙げられます。
UV
現在のほぼすべての複合フローリングに使用されている塗装です。紫外線を照射することで瞬時に硬化する特殊な塗料を用いて塗膜を形成します。
メリットは、鏡面のような仕上がりと強固な塗膜。見た目だけでなく、耐摩耗性・耐薬品性・耐熱性・耐溶剤性というようにダメージに対して高い耐久性を持っています。しかし、施工には特殊は機材や塗料が必要なので費用が高く、工場でしか施工できないというデメリットがあります。
無垢フローリングには自然塗料
無垢材を用いた無垢フローリングには、自然素材による調湿機能があります。しかし、塗装の種類によっては木材の表面を塗膜が覆ってしまうため、調湿機能が発揮できなくなってしまう場合があります。
無垢フローリングの持つ自然の調湿機能を活かすには、オイル系塗装のような自然塗料を用るのが正解。自然素材を用いた塗料は木材に染み込むため、ウレタン塗装のように表面に塗膜を作らず、木材の呼吸を妨げないのです。
無垢材フローリングのお手入れ
ウレタン塗装の場合
ウレタン塗装とは、ウレタン系の合成樹脂を主成分とする塗料をフローリングに塗装したもの。光沢があり汚れが付きにくく、塗り替える必要がありません。そのため、日常的なお手入れは乾いた雑巾で拭く程度でOK。以下に、ウレタン塗装の無垢フローリングのお手入れ方法を紹介します。
日常的なお手入れ
- 大きいゴミはほうきや掃除機などで取り除く
- 乾いた雑巾で床を拭く(水拭きは避けるのがベター)
- 板の隙間にゴミがつまった場合、掃除機などで取り除く。粘着性のあるゴミには爪楊枝などを使用する
大掃除の方法
- 掃除機をかけ、固く絞った雑巾で床を拭く
- 汚れが落ちない場合は、中性洗剤を薄めたものを含ませた雑巾を固く絞って拭く
- 乾いた雑巾で乾拭きする
ワックスをかけたい場合
ウレタン塗装には、基本的にワックスがけを行う必要はありません。とくに硬化クリア塗装を採用している場合、ワックスがけによってムラが生じる可能性があります。
ツヤを出したいなどの理由によってワックスがけを行いたい場合は、無垢フローリングに塗装できる商品を選びましょう。商品の取扱説明書を熟読し、目立たない部分で試し塗りをすることをおすすめします。
自然塗装の場合
自然塗装の無垢フローリングでは、天然油脂(オイル)を用いて仕上げをしています。木の表情がしっとりとしており、木本来の質感を味わえるのが特徴。ただ、油膜をつくらないため傷や汚れが目立ちやすく、日常的なお手入れや定期メンテナンスが必要です。
日常的なお手入れ
- 大きいゴミはほうきや掃除機で取り除く
- 乾いた雑巾で床を拭く
- 板の隙間にゴミがつまった場合は、掃除機や爪楊枝などで取り除く
大掃除の方法
- 各オイルメーカーが販売している専用のワックスクリーナー等で汚れを拭き取る
- 乾いた雑巾で床を拭く
ワックスをかけたい場合
自然塗装の無垢フローリングにワックスをかける場合、塗装されたワックスと同じメーカーのワックスを使用します。もしも市販のウレタン塗装用のワックスなどを使用してしまうと、毛羽立ちやシミの原因になります。
なお、ワックスの塗り方や塗布量などはメーカーによって異なるため、メーカーが提示している塗装手順を守りましょう。
化学モップや水拭きは避けたほうが良い
無垢フローリングの日々のお手入れには、乾いた雑巾やモップ、ドライシートなどを使用するのがおすすめです。
ただし、化学モップは避けた方ベター。ほこりをキャッチしやすいよう、油分のある薬剤を浸み込ませている場合があります。そのため、化学モップを無垢フローリングに置いたままにすると、油分によるシミができる可能性があります。
また、水拭きやウェットタイプのシートで掃除をしたくなってしまいますが、水分は控えるのが無難。無垢材は水を吸い込みやすい素材のため、ワックスやオイル塗装をしていてもシミやカビなどの原因になってしまします。汚れが目立つ・食べ物をこぼしてしまったなどの場合は固く絞った雑巾で拭き取りましょう。
できれば隙間も掃除する
無垢フローリングは、無垢材を1枚1枚並べた状態になっています。そのため、どうしても板と板の隙間にほこりやゴミが入ってしまうでしょう。
日常的なお手入れとしては掃除機やほうきで十分ですが、たまにすき間の汚れをかき出すことをおすすめします。爪楊枝などを使用し、フローリングの隙間に詰まったゴミをかき出して掃除機で吸いましょう。
なお、すき間掃除は湿度の低い日に行うのがおすすめ。湿気の多い日は無垢材が湿気を吸い込んでいるため、すき間が狭くなっています。一方、乾燥している日は無垢材の収縮によってすき間が開いているため、掃除しやすい状態です。
ワックスは定期的に塗る
一般的に、無垢フローリングは敷いた後にワックスを塗布しています。しかし効果は永久的ではなく、日常の使用や拭き掃除などで少しずつ塗料が減っていきます。
そのため、年1~2回のメンテナンスがおすすめ。定期的にワックスを塗布することで、撥水効果による汚れ防止を期待できます。また、表面のツヤが戻るため美しさもキープできるでしょう。
ただし、塗りすぎには要注意。頻繁にワックスを塗る・多く塗るなどの場合、無垢材に浸透しきれなかった分のワックスが表面に残ります。かえってベタついたり黒ずんだりしてしまうため、塗りすぎはやめましょう。
飲み物や調味料などをこぼしたら
せっかく美しくて心地良い無垢フローリングを採用したのに、飲み物や食べ物をこぼしてしまったら焦りますよね。基本的に、水分のあるものをこぼした場合はすぐに拭き取りましょう。
水をこぼした場合
水をこぼした場合はすぐに拭き取りましょう。ワックスの撥水効果によって浸みにくい状態のため、慌てる必要はありません。ただし、こぼした水を放置していると水シミができる可能性があります。そのため、水だからと油断せず、すぐに拭き取ることが大切です。
ソースやケチャップ、醬油などをこぼした場合
ソースやケチャップ、醤油などの水分を含む調味料をこぼした場合、固く絞った布巾や雑巾ですぐに拭き取りましょう。汚れが油分を含んでいる場合は中性洗剤を薄めたものを雑巾に含ませ、固く絞ってから拭き取ります。
油性ペンで書いてしまった場合
無垢フローリングに油性ペンがついてしまった!というケースもあるかもしれません。油性ペンの汚れは拭いても消えませんので、サンドペーパーで表面を削りましょう。
サンドペーパーで表面を削った後は、木くずを掃除機で吸い取り、乾いた雑巾でさっと拭きます。そして、削った部分にはワックスを塗り直しましょう。
なお、汚れがそれほど浸みこんでいない場合は、消しゴムで消えることもあります。
ささくれを見つけたら
セルフメンテナンスで対応
使用し続けるうちに、どうしてもささくれは起こってしまうものです。足裏に刺さるなどすると危ないので、ささくれを見つけたら、できるだけすぐに補修しておくようにしましょう。とはいえ、ささくれを見つけるたびに業者に依頼するとコストが多くかかってしまうので、可能なようであればセルフメンテナンスすることをおすすめします。
ささくれの補修方法
次のような手順で補修をしていきます。
中程度のささくれは削り取ってしまうのもひとつの方法
フローリング表面が多少毛羽立っている程度であれば、サンドペーパーでの対処で足りますが、やや太さのあるトゲのようになっている場合、削り取ってしまったほうがよい場合もあります。削るとへこみが生じますので、その部分はパテを詰めて埋めていきます。そして、パテがかわいたら、周りに馴染むように着色します。
ささくれが重症だと思ったら
ささくれがかなり大きい場合には、削り取り、その部分を「埋め木」する方法もあります。ただ、削り取った形になるよう埋め木を整える作業などが必要なので、難易度が高い補修方法であるといえます。埋め終わったら、まわりの部分との高さをそろえる作業も必要です。
キャスターでの傷を抑えるには?
キャスター椅子を使うと、どうしてもフローリング表面にササクレやへこみなどの傷ができやすいです。透明なテーブルマットを敷くなどして対応することも可能ですが、それでは無垢フローリングの肌触りを楽しめませんし、また、カビなどが発生しやすくなるという問題もあります。そこでおすすめしたいのが、ゴム製のキャスターです。
ゴム製であればホイール部分がやわらかいため、フローリングへの負担をおさえやすくなります。ゴムの色が黒い場合が多いので、比較的明るい色味の無垢材だと色の跡が付いて目立ってしまうことがありますが、それでも、ダメージをあたえてしまうよりはメンテナンスが簡単です。ちなみに、キャスターの素材には、他にも次のようなものがあります。
- ナイロン製のキャスター:一般的な素材です。硬さがあるので、フローリングに傷がつきやすくなります。カーペットなどの床に使用するのがおすすめです。
- ウレタン製のキャスター:硬さは、ゴム製とナイロン製の中間くらいです。ナイロン製のキャスターよりはフローリングへの負荷をおさえやすいです。
ここまで無垢フローリングのメリット・デメリット、複合フローリングのメリット・デメリットについてお伝えしましたが、一番大事なのは「木のフローリングを導入したい」と思ったその理由を整理すること。見た目やコストだけを気にするなら複合フローリングも検討の余地がありますが、「本当に社員が快適に働ける環境を作りたい」と思うなら無垢フローリングがおすすめです。木本来の質感や温もりを感じてリラックス効果が得られるだけでなく、湿気を出したり吐いたりする調湿機能も備えているため、より社員が業務に集中できる環境作りをサポートしてくれるはずです。
専門家が語る
「無垢フローリングの魅力」
では、オフィスに無垢フローリングを導入する場合、どのような点に注意すればいいのでしょうか?無垢材の持つ質感を最大限に活かしつつ、木の調湿機能を妨げないオスモフローリングを提供する「オスモ&エーデル」社の広報を務める田中さんに、無垢フローリングの魅力や選ぶ際の注意点をお聞きしました。
オスモ&エーデル株式会社
オスモ&エーデルは、ドイツ オスモ社やヴァレーマ社などから、ヨーロッパの高品質な建材を輸入販売しています。 ドイツ オスモ社は、「オスモクオリティー」という独自の品質基準を設け、自然塗料オスモカラー塗装の仕上げの無垢フローリング「オスモフローリング」を生み出しています。オスモ&エーデルは、この「オスモフローリング」を、オフィスに快適性を求める企業様に提案しています。
―無垢フローリングを選ぶうえでの注意点を教えてください。
なぜ木のフローリング、しかもなぜ無垢フローリングを採用しようと思っているのか。
それを企業様自身がはっきりさせることがとても大切です。
無垢フローリングはメンテナンスフリーというわけではありませんし、値段も決して安いものではありません。
それでも無垢フローリングを選ばれるのは、企業様自身が「自社のオフィスを快適な空間にしたい」という想いがあるからだと思います。
無垢材フローリングは木本来の質感や表情を活かし、人をリラックスさせる機能を備えています。
もちろん、フローリングがすべてを解決するわけではありませんが、
オフィス空間で大きな面積を占める部分だけに、
慎重に選ぶ必要があります。
―木の良さを活かす無垢フローリングを見分けるポイントはありますか?
大切なのは実は材質ではなく、塗料なんです。無垢フローリングを選んだとしても、ウレタンなどの合成樹脂を使った塗料を塗装すると、木が本来持つ質感や調湿機能を損ねてしまいます。見た目もペタペタとした不自然なツヤになってしまい、わざわざ無垢材を選んだ意味がなくなってしまいます。
合成樹脂はプラスチックですから、まさに無垢材の上にプラスチックの板を載せているようなもの。これによって、膜をはっているような仕上がりになってしまうのです。
ですから、無垢フローリングを選ぶ際は「どんな塗料を使っているか」と確認するのがポイントです。
-どのような塗料であれば、無垢フローリングの良さを活かせるのでしょうか?
木に浸透しやすい自然由来の塗料であれば、無垢材の質感や調湿機能を妨げることはありません。
例えば、弊社の無垢材を使った「オスモフローリング」には、ヒマワリ油や大豆油などの植物油を精製した「オスモカラー」が塗装されているので、木本来の魅力を活かしつつ、傷や汚れから保護することができます。
またツヤも合成樹脂塗料のようにペタペタした感じにならず、しっとりとした自然な光沢が出るようになります。
―「オスモフローリング」はオフィスだけでなく、保育施設などにも導入されていますよね?
お客様から選ばれているのはどんな理由でしょうか?
一つはやはり質感ですかね。「手で触れると気持ちがいい」という感想はよくいただきます。保育施設の方ですと、お子さまたちが素足に近い状態で歩いたり走ったりしますから、より質感を実感いただけるケースが多いです。
導入企業様のなかで、木がお好きな方ですと「木の表情が出ている」、「時間が経つごとに味が出てくる」という声もいただきます。「経年美化」と言ったりもしますが、無垢材は使いこむごとに独特の味わいが出てきます。
シートや塩ビのフローリングですと、結局新品のときが一番キレイで、あとは劣化していく一方。 無垢材は傷や汚れがついても補修が効きますし、時間が経つごとに味わいが出てくるんです。
あとは、「空間が広く見える」ということですかね。通常フローリングの木幅は8cm程度ですが、オスモフローリングは約2倍の16cm。1本1本の木幅が広いので、必然的に空間が広く見えるという視覚的な効果もあります。
―無垢フローリングは手入れが面倒というイメージがありますが…
たしかに塗料や木材によっては、水拭きがNGというケースもありますね。ただ、弊社のオスモフローリングは植物油を精製した「オスモカラー」をドイツの工場で塗装していて、保護性能も十分。水拭きはもちろんOKですし、液体をこぼしてもシミになりにくくなっています。
また、メンテナンスも水拭き用の「オスモウォッシュアンドケアー」と乾拭き用の「オスモワックスアンドクリーナー」を定期的に使えば、木材の美しさや機能性を長持ちさせることができます。
水拭き用の「オスモウォッシュアンドケアー」は汚れを落としながら、植物油を補ってケアーしてくれます。乾拭き用の「オスモワックスアンドクリーナー」には、カルナバやカンデリラといった植物ワックスが入っていて、汚れが落ちるのはもちろん、 植物ワックス成分が補われて、フローリングがしっとりし、はっ水性もよみがえります。
メンテナンスフリーというわけではないのですが、こういった専用のケアー商品を用意することで、手入れの負担を極力少なくするように心掛けています。
―導入された企業様からはどんな声を頂いていますか?
実際に導入して頂いた企業様からは、「ストレスを感じない」「心地いい」という声を頂いています。フローリングは快適なオフィスを作るうえでの一要素にすぎませんが、少しでもお客様がその良さを実感して頂けているのは嬉しいですね。
無垢フローリングの懸念と言えば、メンテナンスですが、「手入れも思っていたほど大変じゃなかった」という声もいただいております。
フローリングは時間が経てば経つほど全体に馴染み、当たり前になっていきます。企業様のオフィスが当たり前に快適な空間になるように、私たちもお手伝いできればと思います。
オスモフローリングの導入事例
ここでは、オスモ&エーデルの公式サイトに記載されていた導入企業の声を一部紹介します。
スズキ&アソシエイツ
(愛知県西尾市)
欧米ブランドのハーレーパーツなどを取り扱う、愛知県西尾市にある輸入商社です。「エネルギーシフト」と「ボーダーレスな社屋」のコンセプトを掲げて、2020年6月に西三河エリアで初のゼロエネルギー事務所として完成しました。
オスモフローリングを採用してよかったです。広々とした空間を実現したいという考えがある中で、幅の狭いフローリングではそぐわない、幅広のものを採用したいと思っていましたから。 無垢フローリングなので反りやあばれが心配でしたが、オスモフローリングが無垢材の製品として、含水率の基準もしっかりクリアしていたので、問題ありませんでした。 もちろん質感も含めて、満足しています。
ストレスフリーで、「何も気にしなくていい心地よさ」がありますね。 今はこの快適な環境が当たり前になりつつあるのですが、 ご訪問頂いたお客様に「木の香りがしていいですね」という声を頂くたびに、新社屋ができた当時に感じた心地よさを思い出します。
無垢フローリングの選び方についてオスモ&エーデルの田中さんにお話しを伺いました。お聞きしたポイントを整理してみました。
- 1.木の良さを活かすなら塗料が大事
- 2.自然由来の塗料であれば、木の質感や調湿機能を妨げない
- 3.水拭きできるかどうかを確認する
オスモ&エーデルの「オスモフローリング」は、ヒマワリ油や大豆油などの植物油を精製した「オスモカラー」が塗装されているので、木本来の魅力を活かしつつ、傷や汚れから保護することが可能です。保護性能も十分で、水拭きもOK。メンテナンス専用のケアー製品があり、手入れの負担も少なく済みます。
導入企業から「何も気にしなくていい」という声があったように、ストレスを感じさせない空間づくりに貢献する「オスモフローリング」。オスモ&エーデルのオフィス用サイトでは詳細な導入事例を掲載しているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。
オスモ&エーデル株式会社
ショールーム
環境先進国ドイツの暮らしや住まいのスタイルを住居だけでなく、オフィス向けにも提案しているオスモ&エーデル社。自然塗料の「オスモカラー」や無垢材を使った「オスモフローリング」をはじめ、人に優しく環境にも優しい空間づくりを心掛けています。
今回取材したのは、新宿ショールーム(所在地:東京都新宿区西新宿1-20-2 ホウライビル11F)。ヨーロピアンオークと北欧パインの高品質なフローリング材を、見て、触って、その質感を確かめることができます。専門のスタッフが手入れの方法だけでなく、オフィスに導入する際のプランなども提案。オフィスに快適性を求める方は、足を運んでみてはいかがでしょうか?
オスモ&エーデルは、ドイツの暮らしや住居スタイルを提案する会社です。
住まいに関する製品販売や、新築・リフォームの相談も行っています。
人と環境に優しく、自然との関わりを大切にした、高品質な建材の取り扱いを通じて、快適な住環境を届けています。
オフィスと関わりの深い製品も取り扱っています。