最近では省エネやSDGsが叫ばれ、エアコンの設定温度も政府が推奨したりしています。最適なオフィスの室内温度や湿度について、ポイントを解説します。オフィスの室内温度に関する法律や、適温に保つ方法なども紹介します。
オフィスの室内温度はパフォーマンスに影響する?
快適な室内温度とは?
オフィス内が寒すぎるまたは、暑すぎると感じたことはないでしょうか。仕事の効率を左右しているのは室内温度の可能性はとても高いとされています。
集中力を最大限に発揮するのに適した温度がありますが、温度の感じ方は性別や年齢によって、また外回りの人と内勤の人でも違うため、調整が難しいところです。環境省が推奨しているのは、夏は「室温28度」冬は「室温20度」ですが、この温度はパフォーマンスを発揮するのに向いていません。
集中力を高め生産性を持続するのに最適とされる室温は「25度」。エアコンの設定温度と実際の室温は異なるため、うまく調節しながら夏も冬も室温が25度となるよう、コントロールしましょう。
過ごしやすい室内湿度とは?
じめじめしていると不快と感じるように、湿度も作業効率に大きく関係しています。また、湿度は60%以上になるとカビやダニの発生につながり、40%以下になるとウイルスが活発になってしまうという特性も持っています。湿度を最適な状態に管理することは、健康管理にも繋がっていきます。
さらに湿度は体感温度にも関わっており、湿度が高いと蒸し暑く、乾燥していると寒く感じます。夏のオフィスで、温度はそのままでも湿度を下げることで、サラサラとして涼しく感じるのはそのためです。
生産性向上が見込め、かつカビやダニ、ウイルスを抑制できる湿度は「40〜60%」。湿度は、これより低すぎても高すぎてもよくないため、加湿器やエアコンの除湿機能などをうまく使って調整してください。
職種別の適温とは
クリエイティブな職種
デザイナーやディレクター、プランナー、コピーライター、アーティストなど、クリエイティブ分野の職業の人や、プレゼンやブレインストーミングの準備をするビジネスパーソン、論文や発表の準備をする学生など、創造性が必要なタスクに取りかかる場合や柔軟な考えで問題に向き合う場合、室温は高めがおすすめです。暖かい環境の方が創造的な脳の使い方に向いているので、26〜28度の室温にしてみましょう。
経理や事務などの一定のタスクを繰り返し行う職種の方
経理や会計、事務、オペレーターや、売上高の計算、報告書作成など、作業的なタスクを行うには室温を低めに設定しましょう。
脳の回転や作業スピードが速くなり、短時間で効率良く多くのタスクがこなせるようになります。
数学の計算問題や英単語の暗記、漢字の練習などの勉強にも低めの温度が向いています。
オフィスの室内温度に関する法律
オフィスの室内温度が法律で定められているとは、知らない人も多いのではないでしょうか。労働安全衛生法の事務所衛生基準規則第5条3項には、以下のような記載があります。
「事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下および相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない」
室内温度にはかなり幅があるものの、湿度は理想的な数値とほぼ同じです。まずは現状のオフィスがどのような状態か確認し、この基準の中で皆が快適に過ごせる室内温度を模索してみましょう。
オフィスの室内気温に影響するもの
エアコンで温度設定をしていても、さまざまな要因によって室温に影響を与えてしまいます。人の出入りが多いオフィスでは、どうしてもドアの開閉が多くなるため外気温と混ざりやすく、温度が一定しません。
また、照明やパソコン、プリンターなどの熱を発する機器は、意外にも熱量が多いため室温に影響することも。パソコンなどの機器もまた、温度の影響を受けやすいため、配置などに気をつけましょう。
さらに人自身も熱を発しています。オフィスにいる人数が多い場合には室温も上がるので、調節が必要です。
オフィスの室内気温を適温に保つ方法
冷蔵庫やポットなどの家電、プリンターやコピー機などをデスクから離れた場所に設置して熱源の影響を少なくしましょう。照明が白熱灯や蛍光灯の場合は、LEDに変えると熱量が少なくなります。
時間帯によって直射日光が差し込むオフィスでは、ブラインドやカーテンで温度の上昇を防ぐことができます。
また、オフィスにグリーンを置くことで、温度や湿度を調整できます。植物は空気清浄や加湿の効果が期待でき、さらに働く人へリラックス効果も与えることができるため、「バイオフィリックデザイン」を導入する企業も増えています。
まとめ
オフィスの温度・湿度は、仕事の効率を大きく左右しています。最適な温度は25度、湿度は40〜60%ですが、職種や仕事内容によっても向いている温度があるので、快適な温度・湿度を保つ工夫をしてみましょう。
オフィスに植物を置くことで、温度・湿度の調整が可能。幸福度や生産性、創造性の向上にも役立ちます。自然とふれ合えるバイオフィリックデザインを取り入れた、快適なオフィス事例を参考にしてみてください。
オスモ&エーデルは、ドイツの暮らしや住居スタイルを提案する会社です。
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