ここでは、オフィスの床材の選択肢の一つである、ビニル床タイルの特徴やメリット・デメリットを紹介します。
ビニル床タイルとは?
床に貼るタイルの中でも、プラスチック性の樹脂を原料としたものをビニル床タイルと呼びます。ビニールのため、耐水性や耐久性に優れ、模様のバリエーションも豊富なことが特徴です。
ビニル床には、大きく分けて硬い素材のフロアタイルと、クッション性の高いフロアシートの2種類があります。オフィスでは主にフロアタイルが使用され、木目や石目などリアルな質感を実現できる床材として選ばれています。
タイルにはタイプがある
一口にタイルと言っても、さまざまなタイプがあります。ここでは、代表的なタイルの種類を4つピックアップして、その特徴について解説していきます。自分の希望や環境に合わせて、適切なタイルを選びましょう。
ワックスがいらないタイプ
定期的にワックスをかけ直すメンテナンスの手間を省けるのが、ノーワックスタイプです。ノーワックスタイプの中にも種類があり、施工後数年はワックスがけが不要なものからワックス禁止となっているものまで幅広い種類があります。
ワックスをかけ直すと、完全に乾くまでそこは歩行禁止となります。そのため、ワックスがけは人の往来がない休日や定休日、深夜に行わなくてはいけません。その点、ノーワックスタイプなら頻繁にワックスをかけ直さなくていいのでメンテナンスの手間が省けるほか、人の往来が多い場所に適していると言えるでしょう。コストカットを重視するならノーワックスタイプがおすすめです。
ピールアップボンドを使うタイプ
ピールアップボンドとは、一度貼った後でもはがせる再粘着性の接着剤のことです。置いた床材を固定するだけの簡単な施工方法として用いられています。
今まではOAフロアの施工はタイルカーペット工法が主流でしたが、汚れにくく、掃き掃除もしやすいことからピールアップボンドを用いたピールアップ工法の方が普及してきました。
また、ピールアップ工法には、剥がした後も粘着力が残っているので下のOAフロアのメンテナンスが簡単にできるというメリットがあります。加えて、新しく交換する際にもボンドの継ぎ足しや下処理が必要ないのも魅力です。
ピールアップボンドを用いたタイルは、種類が豊富なので場所に応じて使い分けることができます。例えば、棚などの家具を置く場所にはタイルカーペットと合わせて使っても段差ができにくい厚手のものや、精密電子機器を置く場所には静電気の発生を防いでくれる制電機能を持ったもの、リフォームに適した3mm厚のものなどがあります。
また、ピールアップボンドを用いたタイルはデザインが豊富なのも特徴です。木目調や石目調などさまざまなデザインがあるので、場に合わせて適切なものを選びましょう。
焦げにくいタイプ
飲食店やオフィスの喫煙ルームなど、タバコを吸う場所の床におすすめなのが焦げにくいタイプです。よくオフィスや廊下の床が黄色く変色しているのを見ますが、あれはタバコの火によってコーティングやタイルが焦げた跡なのです。こうした焦げ跡は一度着いてしまうともとに戻らないので、フロアのコーティングやタイルを交換しなくてはいけません。ひどい場合にはその下の床材まで熱で変形してしてしまうこともあります。また、コーティングやタイルのカラーが白系だと特に目立ってしまうのもの難点です。
しかし、焦げにくいタイプのタイルならタバコの火を押し付けても焦げにくく、ヤニの色もつきにくいので変色を防げます。
防滑タイプ
厨房やトイレなどの水回りにおすすめなのが、滑るのを防げる防滑タイプです。防滑タイプのタイルは、さまざまな加工を施してタイルを滑りにくくしています。中には、表面にファイバー毛を植え付けて滑りにくくするのと同時にクッション性も確保しているものもあります。
防滑タイプは、水回り以外にもオフィスビルのエントランス、ホテルや病院のロビーなど、雨の日には濡れた傘を持って歩く人が多くなる場所にも適しています。また、荷物の搬入口などの重い荷物が頻繁に行き来する場所で、なおかつ屋外に面しているような場所にも防滑タイプのタイプがおすすめです。
ビニル床タイルのメリット
耐久性高くお手入れも簡単
ビニール素材のフロアタイルは、耐水性に優れるためトイレや給湯室などの水周りに使用するのがおすすめです。水を吸い込まないため、お掃除やお手入れが簡単なこともメリット。食べ物や飲み物をこぼしても、拭き取るだけで簡単に汚れを落とすことができます。ワックスがけなどの手間もなく、メンテナンスに時間やコストをかけずに済むのも◎。
また、重いものを置いても凹みにくく、傷が目立ちにくい点もオフィスにおすすめのポイントといえるでしょう。
リアルな質感を再現できる
デザイン性
ビニル床タイルは本物のような質感を再現できるため、木目調や石目調など、自然素材風に仕上げたい場合におすすめです。価格も本物のフローリングに比べると安価で、1㎡あたり4,000〜8,000円程度が相場。オフィスに高級感を出したい場合や、人目につきやすい場所に設置するのがおすすめです。
ビニル床タイルのデメリット
クッション性や
防音性にかける点も
ビニル床タイルは素材が硬いため、クッション性が低く、そのぶん足音が響きやすいことがデメリットといえます。会議室など静かにしたい場所には適さないかもしれません。価格もタイルカーペットに比べると高くなるため、コストを重視する場合にはタイルカーペットのほうがおすすめです。
ビニル床タイル
メンテナンス性や質感に優れたビニル床タイルは、水周りを中心に、耐水性や耐久性が必要な場所におすすめです。本物の自然素材よりも安価にリアルな質感を楽しめるため、高級感を出したい場所にも適しているでしょう。
オフィスの働きやすさを重視するなら、フローリングをはじめ室内の見た目をよくするのが効果的です。下記ページでは働きやすいオフィスの条件を詳しく紹介しているので、興味のある方はぜひ併せて参考にしてください。
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